1635年頃
36歳頃

ブレダの開城

画家 ディエゴ・ベラスケス
The Surrender of Breda / The Lances / プラド美術館(マドリード)
城門の鍵を渡す側と受け取る側を、上下ではなく同じ高さで向き合わせる。槍の列と人の身振りによって、戦勝画の中に緊張と抑制を作る。

何が描かれているか

広い戦場の中央で、敗れた側の指揮官が城門の鍵を差し出し、勝った側の指揮官が肩へ手を伸ばす。二人の周りを兵士が囲み、右奥には長い槍が垂直に並ぶ。
左の兵士たちは横や背を向け、右の兵士たちは密集する。中央だけに空間が開き、二人の指揮官の顔、手、鍵が見える。遠景では煙と水面の向こうに町が広がる。

作品の見どころ

戦勝画でありながら、勝者が高い台から敗者を見下ろす構図こうずではない。二人を同じ地面に立たせ、差し出す鍵と受け止める手を中心にすることで、勝敗と人間同士の接触を同時に見せる。
別名の『槍』は右側の密集した縦線に由来する。槍の整った列と、左側の不揃いな武器や旗が二つの軍を分けるが、中央では身体と視線がその境界を越える。

制作背景

1635年頃、1625年に起きたブレダの降伏を題材に制作された。プラド美術館がP001172として所蔵し、ブエン・レティーロ宮殿『諸王国の間』の戦勝画連作れんさくに属した。
出来事の1625年と絵の制作年を混同しない。戦争の記録そのものではなく、王室の宮殿で勝利を示すため後から構成された歴史画であり、中央の礼節ある身振りも画家が選んだ見せ方である。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
プラド美術館
目録番号
P001172

出典・画像について

画像:Diego Velázquezブレダの開城》/Diego Velázquez, ブレダの開城, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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