1647–1651年頃
40代末〜50代初め頃

鏡のヴィーナス

画家 ディエゴ・ベラスケス
The Toilet of Venus ('The Rokeby Venus') / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
背を向けて横たわるヴィーナスが、クピドの掲げる鏡を見る。鑑賞者には身体がはっきり見える一方、鏡の顔はぼやけ、見ること自体を不安定にする。

何が描かれているか

裸のヴィーナスが白と灰色の布の上に背を向けて横たわる。本人の右手で頭を支え、画面左のクピドが桃色のリボンのついた鏡を掲げる。鏡にはヴィーナスの顔がぼんやり映る。
頭を画面右、足先を左へ向けて身体が長く伸び、濃い灰色と白の布が輪郭りんかくに沿う。画面左には赤いカーテンと黒い枠の鏡があり、鑑賞者の視線を背中から顔の像へ戻す。

作品の見どころ

鏡の顔は身体に比べて小さく、細部もはっきりしない。鑑賞者は裸身をよく見られるのに、本人が何を見ているかは確かめにくい。鏡は姿を説明する道具ではなく、見ることを不安定にする。
クピドの手に絡む桃色のリボンは、鏡を支える帯のようにも、愛の結びつきを示す物のようにも見える。意味を一つに固定せず、身体、鏡、鑑賞者の視線がどうつながるかを見る。

制作背景

1647年から1651年頃の作品で、ロンドンのナショナル・ギャラリーがNG2057として所蔵する。ベラスケス作として現存する唯一の女性裸体画とされる。
正確な制作年と、スペインかイタリアのどちらで描かれたかは確定していない。第2回イタリア旅行と近い時期に置かれるが、ローマで描いたと断定せず、所蔵館が示す年代幅を保つ。
制作時期と場所は確定していません
所蔵館の表示に合わせて1647–1651年頃とし、スペインとイタリアのどちらで描かれたかは断定しません。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
目録番号
NG2057

出典・画像について

出典:ナショナル・ギャラリー 作品記録2026-09-10 確認)
画像:Diego Velázquez鏡のヴィーナス》/Diego Velázquez, 鏡のヴィーナス, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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