何が描かれているか
幼い皇太子バルタサール・カルロスが、後脚で立つ馬にまたがる。右手に指揮棒、左手に手綱を持ち、金色と黒の衣装、帽子、風になびく飾りを身につける。
地平線は低く、空が画面の大部分を占める。馬の腹の下から遠い平原と雪をいただく山が見え、王子と馬は実際より高い場所に現れたように見える。
作品の見どころ
小さな子どもに対して馬の身体は大きく、前脚は宙に上がる。それでも王子の上半身は崩れず、まっすぐ前を向く。子どもらしい顔と、将来の統治者を示す指揮棒が同じ姿に重なる。
馬の輪郭、薄い雲、遠景の山は、近くでは速い筆の跡に見える。離れると空気の層と動きに変わり、細部を固く描き込まずに広い屋内で見える効果を作る。
制作背景
1634年から1635年の作品で、プラド美術館がP001180として所蔵する。幼い皇太子を全身の騎馬像として表した、王家の公式肖像である。
宮殿で高い位置に置かれることを考えると、低い地平線と見上げる構図が働く。現在の美術館の高さだけでなく、王家の歴史を示す大広間の一部だったことを想像すると、空の広さの意味が分かりやすい。