1650年
51歳頃

フアン・デ・パレーハ

画家 ディエゴ・ベラスケス
Juan de Pareja / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
暗い外套と白い襟の人物が、身体を斜めにしてまっすぐこちらを見る。肖像の力強さと、当時パレーハが隷属させられていた事実を切り離さずに見る。

何が描かれているか

フアン・デ・パレーハが身体を斜めに向け、顔だけをこちらへ返す。黒に近い外套の上に大きな白い襟が広がり、右肩には暖かい赤褐色かっしょくの布が見える。
暗い背景と衣服の中で、顔、襟、目が強く浮かぶ。片側へずれた身体と、正面へ向く視線の組み合わせによって、静止した胸像にわずかな動きが生まれる。

作品の見どころ

衣服の輪郭りんかくは柔らかく背景へ溶けるが、目元と鼻、口、ひげは光の差で組み立てられる。細部を同じ密度で埋めず、顔を見る距離へ自然に目を導く。
力強い視線を『自由な人格を認めた証拠』といった美談だけに結びつけてはならない。肖像の表現と、描かれた人が置かれていた法的・社会的な状況は、どちらも消さずに見る必要がある。

制作背景

1650年、第2回イタリア旅行中にローマで制作された。メトロポリタン美術館が1971.86として所蔵する。
肖像制作時のパレーハはベラスケスに隷属させられていた。1650年に解放文書が作られ、1654年に自由となった。この時間差を省かず、解放をベラスケス一人の善意の物語へ変えない。
肖像制作時は自由な身分ではありませんでした
当時のパレーハはベラスケスに隷属させられていました。1650年に解放文書が作られ、1654年に自由となりました。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
メトロポリタン美術館
目録番号
1971.86

出典・画像について

画像:Diego Velázquezフアン・デ・パレーハ》/Diego Velázquez, Juan de Pareja, The Metropolitan Museum of Art, Open Access.
画像の出典 / CC0 1.0 / Open Access(画像情報:2026-09-10 確認)
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