何が描かれているか
聖母マリアが幼子キリストを抱き、白い髭の王が正面からひざまずく。後ろには若い王、黒人の王、聖ヨセフが集まり、暗い空と地面の間に人物の身体が重なる。
幼子の白い布と聖母の赤い衣が画面の明るい中心になる。ひざまずく王の背、幼子へ伸びる手、立つ人物の顔が円を作り、遠い土地からの礼拝を近い家族の集まりのように見せる。
作品の見どころ
豪華な建築や大きな行列を描かず、人物を狭い場所へ寄せている。王冠は地面に置かれ、最も目立つのは地位を示す道具より、幼子と王の視線や手の距離である。
右側の人物は強い光から外れ、輪郭が暗がりへ溶ける。明るい中心と暗い周辺を大きく分ける方法は、初期のボデゴンにも通じるが、ここでは宗教物語の集中を作るために使われる。
制作背景
1619年の油彩画で、プラド美術館がP001166として所蔵する。ベラスケスが王付き画家になる前、セビーリャで制作した宗教画の一つである。
聖母、幼子、王たちに、画家の妻フアナ、娘、ベラスケス本人、師で義父のパチェーコを見いだす説がある。ただし、これは所蔵館が紹介する解釈であり、登場人物の身元がすべて確定したわけではない。