1439年
40代後半頃

マルガレータ・ファン・エイクの肖像

画家 ヤン・ファン・エイク
Portrait of Margareta van Eyck / グルーニング美術館(ブルッヘ)
画家の妻を、名前と年齢と制作日を記した枠とともに描く。個人の顔と声を後世へ残す肖像である。

何が描かれているか

白い布を何層にも折った頭飾りと赤い衣の女性が、暗い背景の前に立つ。身体を少し斜めにしながら、目はこちらを見る。
顔の左右差、細かなしわ、口元を理想化せず描く。額縁の上下には、人物が話すようなラテン語の銘文がある。白い頭飾りの鋭い折り目が顔を縁取り、赤い衣の広い面が小さな肖像に安定した重さを与える。

作品の見どころ

銘文は『夫ヨハネスが1439年6月15日に完成した』『私は33歳』と伝える。顔だけでなく、名前、年齢、日付を一つの作品に残す。
大きな宝石や身分の道具に頼らず、頭飾りの白、衣の赤、視線で個人を記憶させる。まず目線を受け止め、次に額縁の文字を読むと、姿と記録が一体になった肖像だと実感できる。

制作背景

描かれたのは画家の妻マルガレータで、グルーニング美術館が0000.GRO0162.Iとして所蔵する。
額縁と裏面も大理石のように描かれているため、所蔵館では両面が見える形で展示される。銘文が年齢と制作日を直接伝えるため、後世の推測に頼らず、作品そのものから基本情報を読める例である。

作品情報

材質・技法
オーク板に油彩ゆさい
所蔵
グルーニング美術館
目録番号
0000.GRO0162.I

出典・画像について

出典:Musea Brugge GRO01622026-09-10 確認)
画像:Jan van Eyckマルガレータ・ファン・エイクの肖像》/Jan van Eyck, マルガレータ・ファン・エイクの肖像, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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