1548年
50代後半頃

ミュールベルクのカール5世

画家 ティツィアーノ
Emperor Charles V at Mühlberg / プラド美術館(マドリード)
戦勝したカール5世を、甲冑姿で馬に乗る人物として描いた。行進する軍隊を省き、森と夕空の静けさの中に皇帝の権威を集中させる。

何が描かれているか

甲冑を着けた皇帝カール5世が黒い馬に乗り、長い槍を右手に持つ。背景は夕方の森と川で、大軍や戦闘は描かれない。
人物と馬は横向きに進むが、皇帝の顔だけはこちらへ少し向く。馬具と甲冑の赤、金属の光、細い槍が、暗い風景の中で皇帝の位置を際立たせる。

作品の見どころ

戦勝記念画なのに、敵や激しい戦いを見せない。静かな騎馬像へ勝利を集約し、皇帝を一時の戦闘より長く続く権威の姿として表す。
馬の脚、槍、木の幹が異なる方向の線を作り、ゆっくり進む動きを支える。赤い装具は小さく繰り返され、巨大な画面が暗く沈みすぎるのを防ぐ。

制作背景

1547年4月24日、カール5世がミュールベルクでシュマルカルデン同盟に勝利したことを記念し、翌1548年に描かれた。甲冑や武器も所蔵館の記録で具体的に確認されている。
ティツィアーノは1530年代からハプスブルク家と関係を深めた。ヴェネツィアに暮らしながら、皇帝像をヨーロッパ各地へ通用する政治的なイメージへ整えた。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
プラド美術館
目録番号
P000410

出典・画像について

出典:プラド美術館 作品記録2026-09-10 確認)
画像:Titianミュールベルクのカール5世》/Titian, Emperor Charles V at Mühlberg, Museo del Prado, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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