洪水の中の小舟、ポール=マルリー
画家 アルフレッド・シスレー →La Barque pendant l'inondation, Port-Marly / オルセー美術館
洪水で通りが水路へ変わったポール=マルリーを描く。建物の安定した形と、雲や水面の揺れが対照を作る。
何が描かれているか
洪水で水路のようになった通りを、小舟に乗った人々が進む。
水に囲まれた建物と曇り空が、揺れる水面へ映る。右の建物は水の中でも垂直に立ち、その前を進む小舟が普段は道である場所の異変を伝える。人々は小さく、洪水の規模が建物と水面の比率から分かる。
作品の見どころ
建物の垂直線を安定した骨組みにし、雲と反射を自由な筆触で動かす。
褐色の建物と青灰色の水を向かい合わせ、異常な光景を静かに見せる。空の灰色は水面にも繰り返されるが、反射は鏡のように固定されず短い筆触へ分かれる。建物の輪郭と水の揺れを交互に見ると、静けさの中の変化が見える。
制作背景
1876年のポール=マルリーの洪水を描いた。シスレーはこの洪水を複数の画面にした。
現在はオルセー美術館所蔵。同館は動かない建物と流動する水の対照を指摘している。同じ洪水を描いた複数作品があるため、一枚だけを現場の唯一の記録とは考えない。シスレーが場所や視点を変えながら、水に覆われた町を観察した連作の一つである。
出典・画像について
画像:Alfred Sisley《洪水の中の小舟、ポール=マルリー》/洪水の中の小舟、ポール=マルリー — Alfred Sisley / Wikimedia Commons
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