何が描かれているか
裸のシーレが床に座り、脚を大きく開いて上半身をねじる。頭は小さく、腕と脚は長く強調され、白い背景の中で身体の一部が画面の端に切られている。
伝統的な裸体画のような安定した立ち姿や滑らかな肌ではない。赤、黄、緑が皮膚の上にまだらに置かれ、骨や筋肉だけでなく、体温や疲れまで見えるように扱われる。
作品の見どころ
膝、肘、肩の尖った形を順に追うと、身体が一つの輪郭へ収まらず、いくつもの方向へ引かれている。空白は背景の省略ではなく、身体を支える場所のなさを強める。
本人を描く自画像だが、社会的な地位や職業を示す道具はない。顔の似姿より、姿勢、皮膚の色、切断された画面から「自分の身体をどう感じるか」を押し出した点に新しさがある。
制作背景
1910年、アカデミーを離れて間もない時期に制作された。シーレはこの頃、クリムトの装飾的な影響から離れ、角張る輪郭と誇張した身体による独自の表現を急速に形づくった。
表現主義とは、見たままを正確に写すより、色や形を変形して感情や内面を表す近代美術の傾向である。本作では、美しい裸体の規範を崩すこと自体が、自画像の内容になっている。