1917年
27歳頃

抱擁

画家 エゴン・シーレ
Embrace / ベルヴェデーレ宮殿美術館
近づく二つの身体を、美化した輪郭りんかくではなく、重さと緊張のある線で描いた。

何が描かれているか

白い布の上で裸の男女が抱き合う。男性の背中が大きく手前を占め、女性の顔と腕はその向こうから現れる。手足と布のしわが中央へ密集している。
周囲に家具や室内の奥行きはなく、白い布の外は暗い色面で閉じられる。二つの身体を美しい輪郭へ整えず、骨、筋肉、重さが触れ合う状態として描く。

作品の見どころ

男性の肩から女性の腕、絡む脚へ視線を移すと、抱擁が一つの滑らかな形ではなく、いくつもの方向へ曲がる線からできていることが分かる。
白い布は身体を目立たせる背景であると同時に、しわによって二人の動きと重さを受け止める。親密さだけでなく、互いを離すまいとする緊張まで見える。

制作背景

1917年制作。ベルヴェデーレの記録ではカンヴァスに油彩ゆさい、100×170センチの横長画面である。シーレが死去する前年に描かれた、等身大に近い人物画にあたる。
登場人物をシーレと妻エディットとする紹介は多いが、公式の作品名は個人名を示さない。特定の伝記だけへ還元せず、身体の接触と画面構成を中心に見る余地を残す。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
ベルヴェデーレ宮殿美術館
位置づけ
近づく二つの身体を、美化した輪郭ではなく、重さと緊張のある線で描いた。

出典・画像について

出典:ベルヴェデーレ シーレ作品一覧2026-09-14 確認)
画像:Egon Schiele抱擁》/抱擁 — Egon Schiele / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-14 確認)
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