1881年
25歳頃

自宅のポッツィ博士

画家 ジョン・シンガー・サージェント
Dr. Pozzi at Home / ハマー美術館
赤一色に近い室内で、衣服の光沢と長い手が人物の自信を語る肖像。

何が描かれているか

医師サミュエル・ジャン・ポッツィが、深紅の室内着と刺繍のある履物を身につけて立つ。
背景のカーテン、床、衣服まで赤系の色で満たされ、襟とそでの白が顔と手を引き立てる。人物は細長い画面のほぼ全高を占め、頭上や足元の余白も少ない。画面下にのぞく片足まで見ると、赤い衣服が身体を包む長さと人物の大きさがよく分かる。

作品の見どころ

縦長の画面と衣服のまっすぐな線が、人物を実際以上に堂々と見せる。
片手は襟元、もう片方は腰のひもへ触れる。長い指と布の光沢を追うと、赤一色に見える画面の中の細かな変化が分かる。襟元から腰ひもへ下る両手は、顔に次ぐ明るい部分として配置されている。カーテン、室内着、床の赤を見比べると、素材ごとに光沢や暗さが描き分けられている。

制作背景

1881年作。ポッツィはパリの著名な婦人科医で美術収集家でもあり、サージェントの友人だった。
職業を示す道具を置かず、自宅の私的な装いで描いた点が、公式の職業肖像とは異なる。題名の「自宅」は、医師を診察室や器具とともに描いた作品ではないことを示す。職業より私的な装いと立ち姿を前面に出した肖像として見ると、画面の演出が読み取りやすい。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ハマー美術館
目録番号
AH.90.69

出典・画像について

出典:ハマー美術館 作品記録・解説2026-09-12 確認)
画像:John Singer Sargent自宅のポッツィ博士》/自宅のポッツィ博士 — John Singer Sargent / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-12 確認)
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