1611〜1612年に着手、1618年までに完成
30代〜40代初め

縛られたプロメテウス

画家 ルーベンス
Prometheus Bound / フィラデルフィア美術館
岩に縛られた男へ、大きな鷲が覆いかぶさる。人間に火を与えたプロメテウスが、神から罰を受ける場面だ。人体を描いたルーベンスに対し、鷲を描いたのは動物画を得意としたフランス・スナイデルス。二人の仕事が一つの激しい場面になっている。

何が描かれているか

プロメテウスは身体を大きく反らし、頭を画面の下へ向ける。鷲は翼を広げ、その身体に爪をかける。鎖や岩が周囲をふさぎ、逃げ場のない状況が目に入る。
ギリシャ神話では、人間に火を与えたプロメテウスは罰として縛られ、鷲に肝臓を食われる。肝臓は再生するため、苦しみは繰り返される。これは実際の出来事の記録ではなく、神話の場面である。

作品の見どころ

人の身体と鳥の身体が、斜めにぶつかるように置かれている。明るい肌が大きく見えるほど、その上をふさぐ暗い翼も重く感じられる。上下を安定させない姿勢が、苦痛の激しさにつながる。
鷲の羽根と人の肌を見比べると、表面の違いも楽しめる。鷲はスナイデルスの担当。別々の画家が得意分野を受け持ち、画面の中では互いの仕事が途切れずつながっている。

制作背景

1611〜1612年に描き始められ、1618年までに完成したとされる。制作期間に幅があるため、ある一年に一気に描き上げた作品としては扱わない。
絵は数年間ルーベンスの工房に置かれていた。現在はフィラデルフィア美術館が所蔵する。作者をルーベンス一人だけで説明せず、鷲を描いた協力者の存在も押さえておきたい。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
フィラデルフィア美術館
目録番号
W1950-3-1

出典・画像について

画像:Peter Paul Rubens and Frans Snyders (eagle)縛られたプロメテウス》/縛られたプロメテウス — The Yorck Project (2002) / DIRECTMEDIA / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-10 確認)
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