1894年頃
50歳頃

戦争

画家 アンリ・ルソー
La Guerre / オルセー美術館
黒い馬で駆ける女性を戦争の化身として描く。写実的な戦場ではなく、死者、荒れた木、鳥を平らに並べた象徴的な画面である。

何が描かれているか

白い衣の女性が武器と松明を持ち、黒い馬で荒れた大地を駆ける。地面には倒れた人々が重なり、黒い鳥が集まる。
特定の戦争の一場面ではなく、戦争そのものを一人の姿へ置き換えた寓意画である。馬の四本の脚は走る自然な動きより記号のように伸び、上の人物と一体になって画面を横切る。人物の白い衣は旗のように広がり、黒い馬と赤い空の間で強い目印になる。

作品の見どころ

馬と人物を中央へ大きく置き、枯れ木の枝と倒れた身体を左右へ広げる。遠近法えんきんほうより横方向の反復が強い。
黒、赤、褐色かっしょくを中心にし、松明と白い衣だけを明るくして不吉さを強める。倒れた人々の肌と暗い鳥をたどると、中央の騎馬像だけでなく、戦争が残す被害へ視線が移る。

制作背景

1894年頃の作品。《戦争》または《不和の騎行》と呼ばれる。普仏戦争後の記憶を含む可能性はあるが、一つの事件へ限定しない。
現在はオルセー美術館所蔵。館の記録では制作年を1894年頃とする。普仏戦争との関係は可能性にとどめ、特定事件の再現ではなく、戦争と不和を表す寓意として読む。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
オルセー美術館
目録番号
RF 1946 1

出典・画像について

出典:オルセー美術館 作品一覧2026-09-11 確認)
画像:Henri Rousseau戦争》/戦争 — Henri Rousseau / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-11 確認)
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