1891年
47歳頃

驚き!

画家 アンリ・ルソー
Surprised! / ロンドン・ナショナル・ギャラリー
実際の熱帯を見ず、植物園、動物園、印刷物、想像を組み合わせた最初の本格的な密林画。稲妻と虎が同時に動き出す一瞬を描く。

何が描かれているか

激しい雨と稲妻の中、虎が密生する葉から姿を現す。背を丸め、歯を見せ、前脚を踏み出す。
虎が雷に驚いたのか、見えない獲物へ近づくのかは確定しない。題名もその曖昧さを残す。虎の身体は横向きだが顔はこちらへ向き、見えない相手と鑑賞者の両方を警戒するような姿勢になる。稲妻は右上で枝分かれし、地面のない密林に天候と空の位置を示す唯一の手掛かりになる。

作品の見どころ

斜めの白い雨と、横へ重なる葉を見比べる。異なる方向の線が画面全体を揺らす。
葉を一枚ずつ輪郭りんかくで分け、奥行きより密度を作る。虎の縞も植物の模様へ溶け込む。白い雨線の隙間から橙色の毛と目が現れ、緑の葉が多い画面の中で虎の位置をはっきり示す。

制作背景

1891年のアンデパンダン展に出品。ルソーが約20点描いた密林画の最初とされる。
現在はロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵。ルソーは熱帯を訪れず、パリの植物園や印刷物などをもとに想像した。熱帯旅行の体験を描いたという伝説に寄せず、パリでの観察と印刷物、想像から作った密林として見る。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
目録番号
NG6421

出典・画像について

画像:Henri Rousseau驚き!》/驚き! — Henri Rousseau / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-11 確認)
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