画面のほぼ全高を占める男女が踊り、周囲のカフェと人々は柔らかく後ろへ退く。男性の深い青と女性の明るい衣服を組み合わせ、二人の重さと回転を大きく見せている。
何が描かれているか
赤い帽子と薄いピンクのドレスの女性が、黄色い帽子と深い青の衣服の男性に抱かれて踊る。二人の手は画面右上で組まれ、女性のスカートが左下へ広がる。
背後にテーブルと人々が見える。
作品の見どころ
二人の顔、組んだ手、腰へ回した腕が近くへ集まり、踊る身体をひとつの大きな形にする。背景の顔と木、テーブルは輪郭を弱めてあり、二人だけが前へ現れる。
色の軽さと身体の量感が同居している。最初に踊る二人の身体がつくる大きな縦の形を捉え、次に帽子、腕、衣服の流れをたどる。女性の赤い帽子と男性の濃い服が強い目印になり、背景の卓や人々は柔らかく退く。顔の物語を決めるより、二人の足元から上半身へ続く回転の向きを見たい。近い人物と曖昧な背景の差が動きを強める。
制作背景
郊外の屋外カフェから発想した作品だが、絵自体はアトリエで制作された。人物の重さを明確にする描き方に、1883年の古典主義的な方向転換が表れている。
カンヴァスに油彩で、ボストン美術館所蔵。
出典・画像について
画像:Pierre-Auguste Renoir《ブージヴァルのダンス》/Pierre-Auguste Renoir, Dance at Bougival, Museum of Fine Arts, Boston; photograph via Wikimedia Commons, CC0.
Commons上で額縁と展示余白を除いた派生画像です。
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