34歳のレンブラントが欄干へ腕を置き、こちらを静かに見ている。普段着を写しただけではなく、16世紀の有名画家たちの肖像を意識した古風な帽子、衣装、ポーズを選んだ自画像である。
何が描かれているか
人物は上半身を少し斜めにし、片腕を手前の欄干へ置く。顔は穏やかな光に包まれ、暗い衣装と毛皮の襟は背景へ溶ける。
角を丸めた画面の形まで含め、近くにいながら距離を保つ落ち着いた像になっている。
作品の見どころ
自画像を鏡で見た顔の記録だけと考えず、画家が自分をどの伝統へ置きたいか示す作品として見られる。
所蔵館はデューラー、ティツィアーノ、ラファエロの肖像との関係を指摘する。表情から性格を決めるより、選ばれた衣装と構図を読むことが大切である。顔だけで性格を当てようとせず、欄干へ置いた腕、古風な帽子、毛皮の襟を一組の演出として見るとよい。過去の名高い肖像形式を使い、自分をどう見せたかがこの自画像の焦点である。
制作背景
1640年、レンブラントが大きな家を購入した翌年の作品である。その事実を「自信に満ちた顔」と心理へ直結させる必要はない。
古い巨匠の形式を借り、自分を歴史を持つ専門職の画家として視覚的に示した作品と見られる。カンヴァスに油彩、91×75センチで、ロンドンのナショナル・ギャラリーが所蔵する。
出典・画像について
画像はナショナル・ギャラリー作品を出典とするWikimedia CommonsのPD-Art複製です。館公式画像は使用していません。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:Rembrandt van Rijn《34歳の自画像》/Rembrandt van Rijn, The National Gallery, London, via Wikimedia Commons.
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