システィーナの聖母
Sixtinische Madonna (Sistine Madonna) / アルテ・マイスター絵画館(ドレスデン)
下端にいる二人の天使は、祭壇画全体のほんの一部分である。その上には聖母子、左右の聖人、足元の雲が広がる。天使を見つけた後は、二人の視線がどこへ向かうかをたどり、祭壇画全体へ戻りたい。一部分を、元の大きな場面へつなぎ直す見方である。
何が描かれているか
雲の上の聖母マリアが幼いキリストを抱き、左右から聖シクストゥスと聖バルバラが聖母子を挟む。下部には、翼のある二人の天使が手をついて見上げている。作品は縦269.5センチ、横201センチのカンヴァスに油彩で描かれた。部分画像の印象より、はるかに大きな祭壇画である。
人物は上下に重なっているが、ばらばらではない。下の天使から聖人、その上の聖母子へ目を移すと、視線と身ぶりが画面の高さをつないでいる。数字で知った約2.7メートルという高さを、人の背丈と比べて想像すると、画像では縮んでいた上下の距離が戻ってくる。
なぜ重要か
二人の天使だけを見ると、台に寄りかかる子どものようにも見える。全景では、その上に宗教的な場面があり、天使もその大きな構成の中に置かれている。下端の一部分と全景を行き来すると、切り取る範囲によって作品の意味や大きさの感じ方が変わることを確かめられる。
作品画像を見るとき、拡大は細部を知る助けになる一方、周囲との関係を隠すこともある。この絵では、下端だけを拡大した後に必ず全景へ戻りたい。聖シクストゥスと聖バルバラがどちらに立ち、聖母子との間にどんな空間があるかを見ることで、天使の位置も理解しやすくなる。
制作背景
1512年夏、教皇ユリウス2世がピアチェンツァのサン・シスト修道院聖堂の祭壇画として注文した。現在の表示年代は1512–1513年である。1754年にはドレスデンのコレクションへ取得された。制作時の教会での役割と、その後に美術館や複製を通して得た名声は、同じ時代の出来事ではない。
祭壇画として注文されたことは、画面の縦長の構成や、見る人が下から見上げる関係を考える手がかりになる。その後ドレスデンへ移ったことで、置かれる場所と鑑賞の条件は変わった。制作された場所、長く知られるようになった場所、現在の所蔵先を同じものとして覚えないようにしたい。
出典:ドレスデン国立美術館 作品データ / ドレスデン国立美術館 2012年報告 / ナショナル・ギャラリー 原作構図解説(2026-09-06 確認)
画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:ラファエロ《システィーナの聖母》/Raphael, The Sistine Madonna, Gemäldegalerie Alte Meister, SKD. Google Arts & Culture, via Wikimedia Commons.
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