何が描かれているか
高い窓からモンマルトル大通りを見下ろし、馬車と人々が奥まで行き交う。
両側の建物、並木、広告塔が近代パリの道路を細長く囲む。高い窓から見下ろすため、馬車の屋根、人の帽子、並木が小さな点の連なりになる。通りは画面下から奥へほぼ一直線に伸び、左右の建物が遠くで近づいて都市の深さを作る。
作品の見どころ
人と馬車を細部まで描かず、短い色の印として置いて群衆の動きを作る。
灰色の冬空と湿った道の間に、暖色の建物や車輪を散らす。湿った路面には空と建物の色が淡く映り、灰色の中へ赤や黄の車体が散る。細部を止めずに描くことで、目は一台ずつより大通り全体の絶えない往来を受け取る。
制作背景
1897年作。グラン・オテル・ド・リュシーの窓から、同じ大通りを時刻と天候を変えて14点描いた連作の一枚。
現在はメトロポリタン美術館所蔵。戸外を歩きながらではなく、窓から継続して都市の変化を観察した。同じ窓から時刻と天候を変えて描いた連作の一枚である。十四点を一続きの動画のようにみなすのではなく、固定した視点から光、交通量、空気の違いを比べる試みとして理解する。