サン=クルーの夜
画家 エドヴァルド・ムンク →Natt i Saint-Cloud / Night in Saint-Cloud / ノルウェー国立美術館(オスロ)
暗い室内で、ひとりの人物が窓辺に座る。室内を横切る青い光と深い影によって、見える部屋が静かな喪失の気分へ変わっている。
何が描かれているか
青く暗い部屋で、帽子をかぶった男性が窓辺に座る。
窓の外には水面と対岸の光が見え、窓枠の影が床と壁を大きく区切る。
作品の見どころ
人物の顔を詳しく描く代わりに、室内を青、黒、茶の広い面へまとめている。
窓から入る細い光と長い影が、静けさだけでなく重い気分も作る。まず窓の外の淡い光を見つけ、窓枠が床へ落とす十字形の影をたどる。次に窓辺の人物へ戻ると、顔の細部が見えないまま、部屋の暗さの中に姿だけが残る。青、黒、茶の境目を近くで追い、少し離れて室内と外景の明るさを比べたい。父の死の直接描写と決めず、画面が作る静かな距離から見るとよい。床に広がる何も置かれていない暗い面にも注目したい。人物と窓を画面の端へ寄せた配置によって、室内の空白が大きく残る。窓枠の垂直線と床の斜めの影を見比べると、狭い部屋の中にも深さが作られている。
制作背景
1890年、パリ近郊のサン=クルーで制作した。
前年に父を失った後の喪失を反映すると解釈されるが、父の死を直接描いた場面とは断定できない。
父の死の直接描写とは断定しません
父を失った時期の喪失と結びつける解釈はありますが、特定の出来事をそのまま描いたとは確定できません。
出典・画像について
画像:Edvard Munch《サン=クルーの夜》/Edvard Munch, Night in Saint-Cloud, National Museum of Art, Architecture and Design, 写真:Børre Høstland, CC BY 4.0.
作品全体を保って表示用に縮小しています。
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