画家の母と姉
画家 ベルト・モリゾ →The Mother and Sister of the Artist / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
母と姉の異なる姿勢を、家庭の室内で静かに対比する。完成前にマネが母の姿へ手を入れたことも記録される。
何が描かれているか
黒い服の母が手前で本を読み、白い服の姉エドマが奥の長椅子へ座る。
姉の手元には青い布があり、花柄の長椅子や花瓶が二人を囲む。母は本へ目を落とし、姉エドマは正面近くを向くため、同じ室内でも視線が交わらない。手前の黒い服と奥の白い服が、二人の前後関係をはっきり分ける。
作品の見どころ
前後の二人を黒と白で分け、視線と姿勢の違いを静かな緊張へ変える。
背景の布や壁は輪郭を閉じず、人物の周りへ筆触を残す。長椅子の花柄、青い布、壁や花瓶の色は輪郭の途中でほどけるように置かれる。一方、母の服の大きな暗い形は画面を支え、軽い筆触との対照を作る。
制作背景
1869〜1870年作。1870年にサロンと呼ばれる審査制の公式展へ出品された。
モリゾの書簡によれば、出品前にマネが母の姿を大きく描き直した。現在はワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。マネの加筆を記録する手紙があっても、画面のどこをどの程度変えたかを見た目だけで決めない。モリゾ名義でサロンに出た作品として、制作と助言の関係を慎重に見る。
出典・画像について
画像:Berthe Morisot《画家の母と姉》/画家の母と姉 — Berthe Morisot / Wikimedia Commons
CC0/Open Accessとして提供された画像です。
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