何が描かれているか
扉、柱、彫刻が縦長の画面を埋め、空や地面はほとんど見えない。
灰色、青、黄土色、淡い桃色の筆触が細部へ重なり、日光を受ける場所と影の場所を分ける。
作品の見どころ
同じ建物でも、光の条件が変われば表面の色は変わる。
扉や柱の位置を手がかりに建築の形を確認し、その上へ重なる色を見ると、堅い石と移ろう光が同じ画面にあることが分かる。まず大聖堂の入口や窓の暗い部分を手掛かりにし、そこから明るい壁面へ視線を広げる。建築の細部を線で数えるより、青、桃色、黄の筆触が凹凸をどう浮かび上がらせるかを見るとよい。近くでは絵具の層、離れては正面全体を包む光へ見え方が変わる。石の建物と移ろう光の対比が中心になる。
制作背景
モネは1892~1893年に大聖堂を30点以上描き、時間帯に応じてカンヴァスを替えた。その後はジヴェルニーのアトリエで作品同士の関係を見ながら調整した。
この一枚の署名年は1894年。カンヴァスに油彩、99.7×65.7センチ、メトロポリタン美術館所蔵、目録番号30.95.250。