何が描かれているか
羊飼いの少女が杖を脇に置いて編み物をし、後ろに羊の群れが広がる。
犬が群れの端を見張り、空には夕方の弱い光が残る。少女は群れに背を向けるように立ち、うつむいて手元の編み物へ集中する。杖は身体に沿って縦に伸び、犬は羊の外側に伏すため、それぞれの役割が距離の取り方から伝わる。
作品の見どころ
少女の垂直な姿と羊の横長の集まりを対比し、広い野原を安定させる。
灰色、黄土色、青を抑えて使い、静かな時間の長さを感じさせる。羊の背が地平線近くへ帯のように連なり、その上に少女の暗い姿だけが高く立つ。夕方の弱い光と抑えた色の中で、頭巾の赤みや羊毛の明るさが小さな目印になる。
制作背景
1863年頃に制作され、1864年のサロンへ出品された。
現在はオルセー美術館所蔵。華やかな衣装ではなく、防寒着と仕事道具を備えた働く人物として描かれる。働く少女を田園の飾りとして小さく置かず、群れを支える中心として扱っている。ただし、本人の感情や生活をこの落ち着いた姿だけから美化せず、仕事の道具と姿勢から読む。