オウムや果物、長衣を並べた室内肖像。女性を物語の役へ固定せず、画面の色と視線を組み合わせて見せる。
何が描かれているか
淡い長衣を着た女性が一輪のスミレを持ち、足元にオウム、果物、むかれたオレンジが置かれる。
モデルはヴィクトリーヌ・ムーラン。同じ人物でも《オランピア》とは異なる衣装と設定で描かれた。女性は身体をほぼ正面へ向けながら、顔と目だけをわずかに外すため、落ち着きと距離が同時に残る。
作品の見どころ
淡い布地と灰色の背景の中で、オウムの緑、果物の橙、髪の赤褐色が点々と響く。
小道具に意味を一つずつ割り当てるより、色と材質の対比が人物の存在感をどう作るかを見る。衣の柔らかな広がりに対して、オウムの止まり木や果物の輪郭は硬く、異なる質感が人物の周囲を区切る。
制作背景
1866年に制作され、翌年に個展で公開された。サロンの外にも作品を見せる機会を作った時期にあたる。
現在はメトロポリタン美術館所蔵。古い巨匠の肖像や寓意を思わせる要素を、現代女性の画面へ組み直した。小道具を固定した寓意の答えにせず、肖像、静物、異国趣味が重なる曖昧な設定として見ることができる。
出典・画像について
画像:Édouard Manet《1866年の若い女性》/1866年の若い女性 — Édouard Manet / Wikimedia Commons
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