駅そのものではなく、鉄柵、蒸気、こちらを見る女性と背を向ける少女で近代都市を示す。見えるものと隠れるものの差が主題になる。
何が描かれているか
鉄柵の前で濃紺の服の女性が本と犬を抱えて座る。白い服の少女は背を向け、柵の向こうの蒸気を見る。
列車そのものは隠れ、蒸気、鉄柵、橋、建物の断片だけが駅の近くであることを示す。少女の白い服は蒸気の明るさとつながり、こちらを見る女性の濃紺の服は手前へ重く留まる。
作品の見どころ
こちらを見る女性と向こうを見る少女の視線が反対へ向く。二人の関係もはっきり説明されない。
黒い縦の柵が画面全体を区切り、都市の近さと隔たりを同時に感じさせる。柵の縦線を端から端までたどると、二人が駅の風景と同じ場所にいながら隔てられていることが分かる。
制作背景
1873年作。新しいアトリエ近くのサン=ラザール駅周辺を描き、1874年のサロンへ出品した。
現在はワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。館も女性と少女の関係を断定せず、曖昧さを作品の重要な特徴として説明する。都市の新しい交通を描いても機関車を主役にせず、人の視線と見えないものの関係へ置き換えた点が特徴である。
出典・画像について
画像:Édouard Manet《鉄道》/鉄道 — Édouard Manet / Wikimedia Commons
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この画家について本で読む
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