何が描かれているか
細い一本の軸に四羽の鳥がつながれ、右端には手で回す取っ手が付く。鳥の口や舌は音符や鉤のように伸び、装置の下には落とし穴のような形が開く。
背景は青から桃色へ変わる水彩の面で、硬い機械図面ではない。鳥も機械部品も不完全に混ざり、楽しげなおもちゃと拘束装置の両方に見える。
作品の見どころ
取っ手から軸、鳥の口へ視線を動かすと、回転が歌へ変わる仕組みを想像できる。しかし誰が回すのか、鳥が喜んでいるのか苦しんでいるのかは決められていない。
かすれた黒い線とにじむ色面が独立しており、線は構造、色は空気のように働く。精密な機械を描かずに、自然の声を機械化する不自然さを見せる。
制作背景
1922年制作。MoMAの記録では、油彩転写、水彩、インクを使い、紙を板へ貼っている。1937年にナチス政権がドイツの国立美術館から押収し、「退廃芸術」展にも含めた。
1939年にMoMAが取得した。作品を単なる楽しい発明図として見るだけでなく、鳥が軸につながれ、回転させられる構造に注目すると、自然、技術、支配の緊張が読み取れる。