何が描かれているか
暗い画面の中央に、細かく模様を描いた魚を載せた皿がある。その周囲を月、矢印、赤い旗、感嘆符、仮面のような顔、植物や器が取り囲む。
一つ一つは見分けられるが、同じ物語の中で何をしているかは明確でない。食卓、夜空、儀式、思考の記号が、重力のない空間へ並べられる。
作品の見どころ
中央の魚から時計回りに記号を追っても、意味は一つへ収束しない。MoMAの解説が述べるように、明瞭な形がありながら解釈へ抵抗することが、この作品の重要な体験になる。
黒に近い背景は物を隠すだけでなく、赤、黄、白の小さな形を強く浮かび上がらせる。魚を静物画の主役として固定せず、周囲の記号との関係を考えさせる。
制作背景
1926年制作。油彩とテンペラをカンヴァスに用い、厚紙へ貼った作品である。1926年にドレスデンの美術館が取得したが、ナチス政権により1937年に押収された。
同年の「退廃芸術」展にも含まれ、1939年にMoMAが取得した。現在の評価だけを見ると忘れやすいが、自由な記号と子どもの絵に学ぶ姿勢が政治的に攻撃された歴史を持つ。