王妃と国王を中心に王族が横一列に並び、左奥ではゴヤ自身が大きなカンヴァスの前に立つ。豪華な衣装だけを眺めるのではなく、一人ずつ異なる顔、立つ位置、視線を追うと、巨大な集団肖像の構造が見えてくる。
何が描かれているか
中央付近の王妃は幼い子どもたちと並び、その右に国王が立つ。勲章、宝石、刺繍の光が暗い背景から浮かび、人物の並びを横へつなぐ。
画面左では大きなカンヴァスが奥行きを作り、その前に絵筆を持つゴヤが控える。
作品の見どころ
全員を理想的な同じ顔へ揃えず、姿勢と表情の違いを残しながら、衣装の光で一つの王家へまとめている。
画家自身を左奥へ置いたことで、王族を描く場と、それを制作する人物が同じ画面に入る。表情の評価を先に決めず、まず公式肖像として何を見せ、誰をどこへ置いたかを確認したい。まず中央の王妃と国王を見て、左右の家族、左奥のゴヤへ視線を広げると、王家の序列と画家の位置を同時に読める。表情を風刺と決めつけず、衣装、光、配置から公式肖像の構造を確かめたい。
制作背景
カンヴァスに油彩、280×336センチで、プラド美術館が目録番号P000726として所蔵する。
ゴヤが1799年にカルロス4世の首席宮廷画家へ昇進した直後の大作である。宮廷画家としての高い地位と、王家を一枚に構成する仕事の大きさが重なる。