1820–1823年頃
73〜77歳頃

犬(沈みゆく犬)

画家 フランシスコ・デ・ゴヤ
Perro semihundido / プラド美術館(マドリード)
画面下の斜めの暗い色面から犬の頭だけが現れ、上方の広い黄土色の空間を見上げている。何もないように見える部分の大きさが、犬の小ささを強める。ただし、犬が本当に水へ沈んでいる場面とは確定できない。

何が描かれているか

犬の頭は画面の下方に小さく置かれ、鼻先と目が左上へ向く。身体は見えず、下部を斜めに横切る暗い面の向こうに隠れる。
画面の大半は黄土色と灰色の広い面で占められ、人物、建物、物語を説明する道具はない。

作品の見どころ

主役を大きく描く代わりに、周囲の空白で存在の弱さを感じさせる。後世の題名を知ると溺れる犬を想像しやすいが、損傷や壁画からの移し替えで要素が失われた可能性もある。
題名から場面を完成させず、見える頭、斜面、広い色面から考えたい。小さな頭から視線の先へ進み、何も描かれていないように見える広い上部を眺めると、余白が主役と同じほど重要だと分かる。場面の答えを補うより、情報の少なさが生む不安をそのまま受け取りたい。

制作背景

1820–1823年頃、漆喰壁へ油彩ゆさいで描かれ、後にカンヴァスへ移された《黒い絵》の一つである。
現在は131×79センチで、プラド美術館が目録番号P00767として所蔵する。現在の縦長画面だけを、制作当初から完全に同じ状態だったとはみなさない。
犬が沈んでいるとは確定できません
後世の題名から水や土へ沈む場面を想像できますが、損傷や壁画からの移し替えで一部の要素が失われた可能性もあります。

作品情報

寸法
131 × 79 cm
材質・技法
漆喰壁に油彩、後にカンヴァスへ移植
所蔵
プラド美術館
目録
P00767
連作
黒い絵

出典・画像について

画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:Francisco de Goya犬(沈みゆく犬)》/Francisco de Goya, Museo Nacional del Prado, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(法域注意)(画像情報:2026-09-08 確認)
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