何が描かれているか
中央で聖ペトロが玉座に座り、両側に聖人や天使が並ぶ。枢機卿ヤコポ・ステファネスキは小さな姿でひざまずき、自ら依頼した三連祭壇画の模型を聖ペトロへ捧げる。
三連祭壇画は表裏に描かれ、反対面ではキリストが中心となる。人物の大きさは現実の遠近ではなく、聖なる重要度と役割に応じて変えられている。
作品の見どころ
寄進者が持つ小さな祭壇画の中に、同じ構成がさらに描かれている点に注目したい。作品が自分自身を含むような構造は、依頼、奉献、礼拝の関係を視覚化する。
豪華な金地と整った正面性は古い形式を保つが、玉座の段、衣の重なり、ひざまずく身体には量感がある。伝統と新しい身体表現が対立せず、同じ画面で働く。
制作背景
旧サン・ピエトロ大聖堂の主祭壇のため、ステファネスキ枢機卿が注文したとされる。制作年は1320年頃から1330年頃まで諸説があり、ジョットと工房による共同制作として扱われる。
現在はヴァチカン美術館に所蔵される。正面と裏面のどちらが誰に見えたかは設置状況と結びつくため、一枚の絵としてではなく、聖職者と信徒の視線が交わる両面祭壇画として考える必要がある。