何が描かれているか
黄色いキリストの磔刑像を、ブルターニュの衣装を着た三人の女性が囲む。背景は黄色く染まった畑と木々である。
聖書の場面を古代の土地ではなく、19世紀のブルターニュの景色へ置いている。十字架の縦横の線が画面を大きく区切り、その下に女性たちの丸い頭巾と背中が集まっている。祈る女性たちは同じ方向へそろわず、座る姿勢の違いが静かな時間の流れを作る。
作品の見どころ
キリストの身体と秋の畑が同じ黄色でつながる。肌を自然な色に戻さず、画面全体の感情を色で作る。
濃い輪郭が身体、服、畑を囲み、ステンドグラスのように平らな形へ分ける。遠くの人物や石垣まで同じ輪郭で整理されるため、景色の奥行きより色面のつながりが先に目へ入る。
制作背景
1889年、ブルターニュのポン=タヴェンで制作。地域の木彫の磔刑像も着想の一つとされる。
現在はバッファローAKG美術館所蔵。宗教画と現代の風景を重ねた象徴主義の代表例である。象徴主義とは、見たままの再現より、色や形を通して信仰や感情を示す考え方としてここで捉えられる。