1898年
50歳頃

テ・パペ・ナヴェ・ナヴェ(おいしい水)

画家 ポール・ゴーギャン
Te Pape Nave Nave (Delectable Waters) / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
水辺の人物を強い輪郭りんかくと色面で組み立てる。土地の暮らしをそのまま写すのでなく、ポーズや色を選んで南の島の像を作った作品だ。

何が描かれているか

前景には四人の若い女性が座るか立ち、奥には子どもを連れた人物、犬、青い像が小さく見える。
タヒチ語の題名は『おいしい水』ほどの意味を持つ。特定の出来事より、水辺の人物の動きが主題である。

作品の見どころ

中央の立つ身体を軸に、左右の人物が異なる向きを作る。曲がる腕と岸の線が繰り返される。
緑、赤、黄を大きく置き、空間を自然に再現するより、人物と植物の形を平らにつなげる。中央を下る金色の曲線で女性たちは左右に分かれ、身体の向きと視線の違いが静かな間を作る。人物の肌と橙色の地面、青緑の水や木々を見比べると、自然な陰影より色同士の対比が画面を支えている。

制作背景

1898年の作品。ゴーギャンは1895年に再びフランス領ポリネシアへ渡り、その後はヨーロッパへ戻らなかった。
現在はワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。楽園の記録ではなく、植民地下の土地と人を画家が選択し構成した作品として見る。題名と年記は画面内にも記されるが、描かれた場面を現地の日常の完全な記録とは考えない。

作品情報

材質・技法
黄麻布に油彩ゆさい
所蔵
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
目録番号
1972.9.4

出典・画像について

画像:Paul Gauguinテ・パペ・ナヴェ・ナヴェ(おいしい水)》/テ・パペ・ナヴェ・ナヴェ(おいしい水) — Paul Gauguin / Wikimedia Commons
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-11 確認)
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