1809〜1810年
35〜36歳頃

樫の森の修道院しゅうどういん

画家 カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
Abtei im Eichwald / 旧国立美術館(ベルリン)
冬の墓地と廃墟を通して、死とその先を静かに考えさせる風景。

何が描かれているか

葉を落とした樫の森にゴシック聖堂の廃墟が立ち、僧侶たちが棺を運ぶ。
雪の地面には墓が並び、夕暮れの光が壊れた窓の向こうに残る。棺を運ぶ小さな列は、墓標の間を通って壊れた入口へ向かう。窓の向こうには淡い空が見え、建物の内部と外部の境目は壁の欠けた部分によって曖昧になっている。空には淡い月も見える。

作品の見どころ

樹木の幹と聖堂の窓がともに上へ伸び、自然と建築の形を重ねる。
細かな葬列は暗い手前に溶け、廃墟と空が長い時間の流れを感じさせる。樫の幹、尖った枝、ゴシック窓の縦線が画面上部へ何度も繰り返される。手前の雪と墓を低く暗く抑えることで、目は葬列から廃墟、その先の空へ順に上がる。

制作背景

1809〜1810年に制作され、《海辺の僧侶》と対になる。二作は同じ展覧会で発表され、同時に購入された。
ベルリン国立美術館の修復調査により、両作が当初から対として計画されたことが確認された。修復調査が支えるのは二作を対として計画した点であり、細部の象徴をすべて確定するものではない。葬送、冬、廃墟という見える要素から始め、意味は断定しすぎない。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
旧国立美術館(ベルリン)
対作品
海辺の僧侶

出典・画像について

画像:Caspar David Friedrich樫の森の修道院》/樫の森の修道院 — Caspar David Friedrich / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-12 確認)
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