何が描かれているか
正面中央に玉座の聖母子が座り、多数の天使とシエナの守護聖人が取り囲む。下部の銘文は、聖母にシエナの平和とドゥッチョの命を願う内容を伝える。
巨大な祭壇画は両面に描かれ、上部や裾の小画面まで含めて聖母とキリストの物語を展開した。現在見る一枚の中央画面は、元の複雑な全体の中心部分である。
作品の見どころ
同じ金地の中に多くの人物が並ぶが、顔、衣、視線が少しずつ異なる。中央の濃紺と赤、周囲の淡い色を比べると、大人数でも聖母子へ自然に目が集まる。
正面の荘厳さだけでなく、分散した裏面の物語画も合わせて見ることが大切である。公的な守護像と、動きのある連続物語を一つの祭壇に統合した規模が特徴となる。
制作背景
シエナ大聖堂の主祭壇のため1308年に注文され、1311年に完成した。完成作は市民と聖職者の行列によって工房から大聖堂へ運ばれ、都市全体の祝祭となった。
祭壇画は18世紀に切り分けられ、多くの小画面が各国へ散った。現在の姿だけでは元の表裏関係を見失いやすいため、どの場面がどの位置にあったかは復元研究に基づいて理解する必要がある。