何が描かれているか
聖母マリアが幼子キリストを膝に抱き、その足元で三人のフランチェスコ会修道士がひざまずく。修道士は聖母子より非常に小さく、祈る者と聖なる存在の重要度の差が大きさで示される。
左右の天使が模様のある布を掲げ、聖母子の背後に小さな礼拝空間をつくる。金地の中でも、布の下端と人物の重なりによって前後関係が読める。
作品の見どころ
幼子は母の顔へ手を伸ばし、聖母はわずかに首を傾ける。厳かな正面像の中へ親子の接触を入れ、礼拝の対象を遠い記号だけでなく、感情のある関係として見せる。
布の細かな文様、衣の曲線、修道士の単純な褐色を比べると、豪華さと清貧の対照が見える。小さな修道士の視線をたどると、画面下から聖母子へ自然に目が上がる。
制作背景
1280年頃の初期作とされ、現在はシエナ国立絵画館に所蔵される。作品名は、画面下で礼拝するフランチェスコ会修道士に由来する。元の設置場所や依頼の詳しい事情には不明点が残る。
ビザンティン系の金地と大小関係を守りながら、天使が布を持つ動作や親子の接触を加えた。ドゥッチョの新しさは伝統を捨てることではなく、その内部に柔らかな関係を作る点にある。