1290〜1300年頃
40歳頃

聖母子せいぼし

画家 ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ
Madonna and Child / メトロポリタン美術館
幼子おさなごの小さな手とヴェールの動きが、母子の親密さをつくる。しかし聖母の表情は喜びだけではなく、後の受難を予感するような静かな悲しみを含む。

何が描かれているか

聖母マリアが幼子キリストを抱き、二人が頬を寄せる。幼子は母の白いヴェールを指で持ち上げ、聖母は少し悲しげな目で子を見つめる。
下端には石の欄干のような帯があり、聖母子の身体を途中で隠す。金地の聖なる空間と、見る人が立つ現実の側を隔てる境界として働く。

作品の見どころ

幼子の小さな手とヴェールの動きが、母子の親密さをつくる。しかし聖母の表情は喜びだけではなく、後の受難を予感するような静かな悲しみを含む。
欄干は遠近法えんきんほうとして完全ではないが、人物がその向こう側にいるという錯覚を生む。小さな板絵を近くで見る人と聖母子の距離を、画面の縁そのものが意識させる。

制作背景

1290〜1300年頃の小型礼拝画で、メトロポリタン美術館が所蔵する。大聖堂の公的な祭壇画さいだんがとは異なり、個人が近い距離で祈るために使われた可能性が高い。
メトロポリタン美術館は、下端の欄干を西洋絵画における初期の錯視的要素として重視する。金地の象徴性と、目の前に人物がいるような親密さが同居する作品である。

作品情報

材質・技法
テンペラ・金、板
所蔵
メトロポリタン美術館
位置づけ
幼子の小さな手とヴェールの動きが、母子の親密さをつくる。しかし聖母の表情は喜びだけではなく、後の受難を予感するような静かな悲しみを含む。

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品記録2026-09-14 確認)
画像:Duccio di Buoninsegna聖母子》/聖母子 — Duccio di Buoninsegna / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-14 確認)
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