何が描かれているか
川辺で若い男性が座り、女性は赤ん坊を抱いて身を寄せる。弓矢や小舟はあるが、画面は戦いの最中ではなく、静かな休息のように見える。
題材はシャトーブリアンの文学に登場するナチェズ族の物語。追放と逃避の中にいる若い家族を描いている。三人の小さな集まりと、背後へ広がる水面の距離が、逃れてきた家族の孤立を強める。
作品の見どころ
赤い布を中心に三人の身体が小さな三角形を作る。広い川と曇った空の中で、人のまとまりが壊れそうなほど小さく見える。
激しい筆の印象で知られる画家だが、ここでは手を重ねる動作と伏せた顔が中心になる。静けさの中の不安を見てみよう。人物の手と視線を近くで見た後、空と川へ目を離すと、親密さと広い不安が交互に感じられる。
制作背景
1823〜1824年に着手した後、長く未完成のまま置かれ、1835年に完成した。制作年を一つだけにせず、二つの時期を示す。
現在はメトロポリタン美術館所蔵。館の公開APIで作者、制作期間、支持体、目録番号、公開領域画像を確認した。着手と完成が離れているため、画面全体を一時期の発想だけで説明せず、長い制作経過を残す。