何が描かれているか
三色旗を掲げる女性が、倒れた人々を越えて進む。銃を持つ労働者、帽子姿の市民、拳銃を持つ少年が続き、遠景にはパリの建物が見える。
1830年の七月革命を題材にする。中央の女性は実在の一人ではなく、自由という考えを人の姿にした寓意である。中央の女性を頂点に人物が三角形を作り、その下に倒れた身体が画面手前の境界として横たわる。
作品の見どころ
旗の赤、白、青が、人物の服や煙の中にも繰り返される。国旗だけが浮かず、画面全体の色をまとめる。
女神のような裸足の女性と、汚れた服の市民が同じ歩幅で進む。理想と現実を一つに重ねることで、事件を象徴へ変えている。旗から少年、労働者へ視線を下ろすと、異なる立場の人物が同じ前進の動きへまとめられている。
制作背景
1830年の革命直後に制作され、1831年のサロンで展示された。画家自身が銃を持って戦った姿を描いたと断定する根拠はない。
現在はルーヴル美術館所蔵。フランス革命の1789年ではなく、1830年の七月革命を描く点を混同しない。自由の寓意と1830年の市街戦を重ねた作品であり、女性を実在人物や画家自身の目撃証言とはみなさない。