本番の決めポーズではなく、舞台袖で身体と衣装を整える踊り子たち。パステルを重ね、動く身体と強い色を一体にしている。
何が描かれているか
ピンクと緑の衣装を着た踊り子たちが集まり、身体を曲げ、肩や衣装へ手を伸ばす。舞台袖で出番を待つ場面のように見える。
一人の全身を正面から見せず、重なる背中、腕、衣装によって集団の動きを作る。中央に一人の主役を置かず、背中や肩が手前から奥へ重なるため、集団全体が一つの動きに見える。
作品の見どころ
鮮やかなピンクと緑が隣り合い、パステルの線と粉の重なりが衣装を光らせる。
画面端で身体が切れ、奥の人物も部分的に隠れる。完成したポーズより、動作の途中が続く感じを生む。粉状のパステルがこすれたり重なったりする部分を探すと、輪郭を固定しすぎない身体の揺れが分かる。
制作背景
1890年頃の作品。ドガは1880年代以降、パステルを重ねて強い色と修正の跡を残す方法を深めた。
現在はメトロポリタン美術館所蔵。視力の低下が制作へ影響したが、単純に見えなくなった結果ではなく、画材と身体表現を意図的に変化させた。晩年の表現を視力だけで説明せず、長く取り組んだ踊り子という主題と画材上の選択も合わせて見る。
出典・画像について
画像:Edgar Degas《ピンクと緑の踊り子たち》/ピンクと緑の踊り子たち — Edgar Degas / Wikimedia Commons
CC0または所蔵館Open Accessとして提供された画像です。
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