1869〜1870年
50歳頃

画家 ギュスターヴ・クールベ
La Vague / 旧国立美術館(ベルリン)
崩れる直前の波と重い雲を、厚い絵具で物質のように描く。風景の説明より、海の力そのものを画面へぶつける。

何が描かれているか

暗い海から厚い波が立ち上がり、白い飛沫が崩れ始める。
低い水平線の上には、青灰色と褐色かっしょくの重い雲が広がる。手前には濡れた砂と黒い岩が低く残り、そのすぐ奥で波が壁のように持ち上がる。白い泡は細かな飛沫へほどけるが、波の青緑と褐色は厚い塊として重く見える。

作品の見どころ

波の形を細い線で写さず、厚い絵具のり上がりで水の重さを作る。
空と海を大きな色面に絞り、人や船を置かず自然の力だけを見せる。絵具を盛り、削るような跡が水面と雲の動きを直接作る。水平線を低くして暗い雲を広げたため、波は一瞬で崩れる形でありながら、画面全体を押す固い物質のようにも感じられる。

制作背景

1869〜1870年作。クールベはノルマンディー海岸で波を繰り返し描いた。
現在はベルリンの旧国立美術館所蔵。同じ主題の別作品が複数あるため、所蔵版と画像を区別した。クールベは同時期に波を繰り返し描いており、題名が同じ作品も複数ある。ここではベルリン所蔵版の画像と年代を基準にし、別の海景の細部や来歴を混ぜない。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
旧国立美術館(ベルリン)
目録番号
A I 967

出典・画像について

画像:Gustave Courbet》/波 — Gustave Courbet / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-12 確認)
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