何が描かれているか
羊を追う少年が木陰の池で腹ばいになり、水を飲んでいる。
曲がる小道の先には明るい麦畑、川、実在しない村の家並みと教会塔が見える。少年の先には羊の群れと犬が進み、木陰にはロバもいる。道が曲がる先の開いた門、明るい麦畑、さらに遠い教会塔へ目を移すと、近景から遠景まで小さな出来事が続く。
作品の見どころ
暗い木陰から光の当たる麦畑へ道を曲げ、鑑賞者が一緒に歩くような奥行きを作る。
少年、犬、羊、花を小さく散らし、身近な出来事を探しながら風景を読む楽しさを与える。木立の濃い影と麦畑の日差しを分け、道をその境目に通している。野草や赤い花、葉へ置いた明るい色を探すと、暗い木陰にも季節の細部が細かく残されている。
制作背景
1826年、ロンドンのアトリエで制作し、同年のロイヤル・アカデミーへ《風景》の題で出品した。小道は故郷から学校のあるデダムへ続くフェン・レーンをもとにする。
生前には売れず、死後の1837年に友人たちが購入してナショナル・ギャラリーへ贈った。その際に《麦畑》という題が定着した。道は実在のフェン・レーンを基にするが、遠景の村と教会は構図のために加えられた。自然を観察した画家という説明を、見た物を一切変えなかったという意味に取り違えない。
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この画家について本で読む
コンスタブルの手紙 英国自然主義画家への追憶
C・R・レズリー 著/ジョナサン・メイン 編/斎藤 泰三 訳 / 彩流社
友人レズリーの伝記とコンスタブル自身の手紙から、故郷の風景を描き続けた制作と思考を詳しくたどれる一冊です。
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