サント=ヴィクトワール山とアルク川渓谷の高架橋
画家 ポール・セザンヌ →Mont Sainte-Victoire and the Viaduct of the Arc River Valley / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
手前の松、遠くの山、谷を渡る鉄道橋を一つの眺めに組み込んだ。自然と近代の建造物を、斜めの線が繰り返される落ち着いた構成で結んでいる。
何が描かれているか
中央の高い松が画面を縦に分け、右奥にサント=ヴィクトワール山が続く。
谷には小さな鉄道高架橋が見え、手前の道と木の枝が斜めに伸びる。
作品の見どころ
松の幹、山の斜面、道、枝の斜線が向きを変えながら繰り返される。
自然の山と、近代の鉄道橋を対立させるのではなく、同じ色と線の秩序へ収めている。まず中央の松の幹を上から下へたどり、そこから右奥の山、谷の鉄道橋、手前の道へ視線を移す。幹、枝、斜面、道が異なる角度の線を繰り返し、風景の骨格を作る。橋だけを近代の象徴として切り離さず、木や山と同じ色面の中にどう収まるかを見る。近景と遠景の重なりも確かめたい。空の明るい部分が枝の間にどのように残されているかも、画面の広がりを測る手掛かりになる。
制作背景
1882年から1885年、妹の所有地モンブリアン近くから描いた眺めである。セザンヌが生地周辺の一つの場所を何度も見直した仕事の早い例でもある。
カンヴァスに油彩で、メトロポリタン美術館所蔵。
出典・画像について
画像:Paul Cézanne《サント=ヴィクトワール山とアルク川渓谷の高架橋》/Paul Cézanne, Mont Sainte-Victoire and the Viaduct of the Arc River Valley, The Metropolitan Museum of Art, CC0.
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