舟をこぐ男性の大きな背中と、高い水平線で奥行きを圧縮する。青と黄緑の強い形が、舟に乗る人々の場面を大胆に組み立てる。
何が描かれているか
男性が舟をこぎ、船首に女性と幼い子どもが座る。
高い水平線の下に青い水面が広がり、岸は画面上端へ押し上げられる。手前の男性は背中を向けて大きく描かれ、奥の女性と子どもは舟の先へまとまる。男性の帽子、オール、帆柱が暗い形となり、明るい水面を区切っている。
作品の見どころ
男性の暗い背中を大きな形として手前へ置き、女性と子どもへの視線を一度遮る。
舟、オール、帆の曲線と斜線が交差し、青と黄の色面を強く分ける。水平線を高く上げたため、舟は青い面の上へ傾いて置かれたように見える。黒、青、黄という大きな色のまとまりと、人物を結ぶ斜線を見ると構成が分かる。
制作背景
1893〜1894年、地中海沿岸で制作した。日本の版画に見られる高い視点や平らな色面からの影響を、油彩の大画面へ展開した。
1895年にアメリカで開いた最初の個展の中心作品だった。現在はワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。地中海沿岸で制作したことと1895年の個展で中心作だったことは、所蔵館記録で確認できる。一家の身元や航海の物語を加えず、舟上の配置と色に注目する。
出典・画像について
画像:Mary Cassatt《舟遊び》/舟遊び — Mary Cassatt / Wikimedia Commons
CC0/Open Accessとして提供された画像です。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
印象派に恋して―テーマから紐解く、光と色彩の魔法―
佐藤 晃子 著 / ナツメ社
印象派の基礎を一問一答と六つのテーマで学びながら、シスレー、モリゾ、カサットを含む画家たちの作品と人物像をたどる入門書です。
楽天ブックスで見る →