何が描かれているか
黄金色の麦畑で人々が鎌を振り、束を集める。大きな木の下では食事をし、一人は地面で眠る。
斜面の向こうに村、池、果樹園、海が続く。働く時間、休む時間、遠くの暮らしが一つの夏景色に入る。手前の働く人々と木陰の休息が横に並び、その先へ斜面と海がゆるやかに開いていく。
作品の見どころ
麦の大きな黄色い面と、木陰の濃い緑が画面を二分する。刈り取った跡の線が奥へ伸び、遠景へ視線を導く。
農作業を理想化した飾りにせず、汗、食事、睡眠まで描く。同時に高い視点から土地全体を見せ、季節そのものを主題にする。鎌の動き、麦束、食事の器を順に見ると、季節という大きな主題が具体的な手仕事から作られている。
制作背景
1565年、ニクラース・ヨンゲリンクのための六季連作の一枚として制作された。メトロポリタン美術館が19.164として所蔵する。
六枚のうち五枚が現存する。この作品は晩夏にあたり、月名を一つに固定するより季節の労働として見る。連作の中の一枚として、単独の農村風景だけでなく、一年を複数の季節に分けて眺める構想も意識したい。