何が描かれているか
甲冑を着け剣を持つ大柄な女性が、皿、箱、袋などの戦利品を抱えて画面を横切る。背後では女性の集団が兵士や怪物と争う。
空は炎と煙に染まり、左には巨大な口のような地獄の入口が開く。魚、鳥、建築を組み合わせた怪物が各所にいる。主役は画面中央を大股で進み、周囲の小さな争いより強い方向性を作っている。
作品の見どころ
主役の身体を斜め前へ進ませ、背後の混乱から切り離す。青い衣と白い前掛けが、褐色の地獄の中で強く見える。
怪物はボスを思わせるが、ことわざ、女性の争い、略奪を一つの物語に重ねる。『地獄から戦利品を奪う女』という古い表現との関係が指摘される。抱えた品物から背後の女性、地獄の口へ視線を戻すと、略奪する者と混乱した世界の関係が見えてくる。
制作背景
修復前は1561年と読まれていたが、洗浄と科学調査で1563年の年記が確認された。マイヤー・ファン・デン・ベルグ美術館がMMB.0045として所蔵する。
題名は気の荒い女性を指す呼び名で、実在人物の名前ではない。男女の争い、強欲、勇気など複数の読みがあり、制作地も確定していない。修復で読みが変わった年記は、作品の状態調査が基本情報そのものを更新しうる例として重要である。