何が描かれているか
目の見えない六人の男が互いの肩や杖を頼りに、斜面を歩く。先頭は溝へ落ち、次の男も身体を崩し、その動きが列の後ろへ伝わる。
背後には教会と村が静かに立つ。穏やかな風景と、手前で進む転倒の連鎖が強い対照を作る。六人の頭と杖が少しずつ低くなり、先頭の転倒が後ろへ伝わる方向を目で追える。
作品の見どころ
六人の身体は左上から右下へ斜めに並び、倒れる時間を一枚へ順番に置く。止まった絵の中で、次に何が起きるかが見える。
顔や目の状態は一人ずつ異なる。集団を記号にせず、別々の身体を持つ人物として描く。列の斜線と反対に、背景の教会や地平線は落ち着いているため、人々の不安定さがより強く見える。
制作背景
1568年制作。カポディモンテ美術館がQ 1として所蔵する。板ではなくカンヴァスにテンペラで描かれている。
題材は『盲人が盲人を導けば、二人とも穴に落ちる』という新約聖書のたとえに基づく。人物を嘲笑する説明にせず、誤った導きの連鎖として読む。聖書の比喩を扱う一方、描かれた身体の具体性を尊重し、障害そのものを道徳的な欠点として説明しない。