1568年
40代前半頃

盲人の寓話

画家 ピーテル・ブリューゲル(父)
The Blind Leading the Blind / カポディモンテ美術館(ナポリ)
六人の身体が斜めに連なり、先頭から転倒が伝わる。聖書のたとえを、時間が進む一枚の画面に変えた。

何が描かれているか

目の見えない六人の男が互いの肩や杖を頼りに、斜面を歩く。先頭は溝へ落ち、次の男も身体を崩し、その動きが列の後ろへ伝わる。
背後には教会と村が静かに立つ。穏やかな風景と、手前で進む転倒の連鎖が強い対照を作る。六人の頭と杖が少しずつ低くなり、先頭の転倒が後ろへ伝わる方向を目で追える。

作品の見どころ

六人の身体は左上から右下へ斜めに並び、倒れる時間を一枚へ順番に置く。止まった絵の中で、次に何が起きるかが見える。
顔や目の状態は一人ずつ異なる。集団を記号にせず、別々の身体を持つ人物として描く。列の斜線と反対に、背景の教会や地平線は落ち着いているため、人々の不安定さがより強く見える。

制作背景

1568年制作。カポディモンテ美術館がQ 1として所蔵する。板ではなくカンヴァスにテンペラで描かれている。
題材は『盲人が盲人を導けば、二人とも穴に落ちる』という新約聖書のたとえに基づく。人物を嘲笑する説明にせず、誤った導きの連鎖として読む。聖書の比喩を扱う一方、描かれた身体の具体性を尊重し、障害そのものを道徳的な欠点として説明しない。

作品情報

材質・技法
カンヴァスにテンペラ
所蔵
カポディモンテ美術館
目録番号
Q 1

出典・画像について

画像:Pieter Bruegel the Elder盲人の寓話》/Pieter Bruegel the Elder, 盲人の寓話, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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