1485–1495年頃
40歳頃

パトモス島の聖ヨハネ

画家 ヒエロニムス・ボス
Saint John on Patmos / 絵画館(ベルリン)
聖ヨハネが幻を書き留める静かな場面に、小さな怪物が忍び込む。聖なる光景と誘惑が同じ風景に共存する。

何が描かれているか

聖ヨハネが岩場に座り、膝の本へ文字を書く。視線の先では、光に包まれた聖母子せいぼしが三日月の上に現れる。
近くには鷲が立ち、画面下では奇妙な怪物がインクつぼへ手を伸ばす。遠景には水辺の町と船が続く。聖人の身体がつくる斜線の先に幻があり、反対側の怪物は低い位置から執筆へ近づいている。

作品の見どころ

静かな聖人と小さな怪物を同じ画面に置き、啓示を書く行為のすぐそばへ妨害を忍び込ませる。
人物を大きく置きながら、遠景の細部を失わない。地上の風景、幻、怪物が別々の層として共存する。最初に大きな聖人と幻を見てから、鷲、怪物、遠景を探すと、静けさの中の小さな異変が際立つ。

制作背景

ベルリン絵画館が1647Aとして所蔵する。かつて祭壇画さいだんがの翼だったと考えられ、裏面にもキリスト受難の場面が描かれる。
制作年代には幅があり、このサイトでは1485年から1495年頃とする。作品が属した祭壇画全体の姿は分からない。裏面を持つ翼画だったという性格を踏まえつつ、失われた中央部の主題や組合せは推測として区別する。

作品情報

材質・技法
板に油彩ゆさい
所蔵
絵画館(ベルリン)
目録番号
1647A

出典・画像について

出典:プラド美術館 ボス500年展2026-09-10 確認)
画像:Hieronymus Boschパトモス島の聖ヨハネ》/Hieronymus Bosch, パトモス島の聖ヨハネ, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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