1500年頃
50歳頃

行商人

画家 ヒエロニムス・ボス
The Pedlar / The Wayfarer / ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館(ロッテルダム)
荷を背負う旅人が危うい場所を離れ、細い道を進む。人生の旅を表すという読みは有力だが、唯一の答えではない。

何が描かれているか

旅人が大きな籠を背負い、杖を持って道を進む。履物は不揃いで、傷んだ衣を着ている。足元では犬が吠える。
背後の荒れた家では人々が集い、脇には豚がいる。旅人はそこを振り返りながら、前方の細い門を抜けようとする。人物の曲がった背と上げた脚が円の動きに沿い、振り返りながらも前へ進む一瞬を作る。

作品の見どころ

円形画面の中央に歩く人物を置き、後ろの誘惑と前の不確かな道の間に立たせる。片足を上げた姿が選択の途中を表す。
怪物の多いボス作品と違い、日常的な物が中心である。それでも壊れた家、犬、門が、旅の危うさを静かに示す。籠や履物を奇抜さとして眺めるだけでなく、背後の家から前方の門へ視線を運ぶと、選択の構図こうずが見える。

制作背景

1500年頃の板絵で、ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館が1079 (OK)として所蔵する。失われた多翼祭壇画さいだんがの外翼だった可能性がある。
かつて『放蕩息子』とも呼ばれたが、現在は特定の聖書人物より、人生を進む旅人とする読みが広い。意味は一つに決着していない。題名の変化は解釈の変化でもあるため、旧称だけから聖書物語の一場面だと決めつけない。
旅人の意味には複数の読みがあります
人生の旅、罪から離れる人、放浪者などの解釈があり、一人の聖書人物には確定していません。

作品情報

材質・技法
板に油彩ゆさい
所蔵
ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館
目録番号
1079 (OK)

出典・画像について

画像:Hieronymus Bosch行商人》/Hieronymus Bosch, 行商人, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
作品外の白い余白だけを透明化しました。作品本体の色・形・縦横比は変更していません。忠実な美術作品複製の法的扱いには法域差があります。
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