1512–1515年
60代前半頃

乾草車の三連祭壇画さいだんが

画家 ヒエロニムス・ボス
The Haywain Triptych / プラド美術館(マドリード)
巨大な乾草へ人々が殺到し、車は地獄へ進む。身分を問わず物欲に引かれる人間を、一つの行列として描く。

何が描かれているか

中央の巨大な乾草車へ、農民、兵士、貴族、聖職者が群がり、乾草を奪おうとする。車の上では音楽が奏でられ、上空にキリストがいる。
左翼は楽園と人間の堕落、右翼は怪物が人々を責める地獄である。乾草車は悪魔のような生き物に引かれ、地獄へ向かう。中央の車が左から右へ進む大きな流れを作り、人々の争いもその進行に巻き込まれている。

作品の見どころ

乾草は手に入れようとしても長く残らない物の象徴になる。身分に関係なく同じ車へ集まる人々が、欲望の広がりを見せる。
扉を閉じると一人の旅人が道を進む。開いた世界全体の混乱と、閉じた外側の個人の選択が対応する。上空の小さなキリストから乾草車、地獄へ縦に目を下ろすと、救いが見過ごされる構図こうずが分かる。

制作背景

プラド美術館は1512年から1515年、P002052として所蔵する。現在の三枚は戦争期に分散した後、1914年までに再び組み合わされた。
聖書の言葉とネーデルラントのことわざに結びつく。具体的な人物を一人ずつ実在の階級批判へ固定せず、全体の道徳的構成として見る。分散と再構成を経た作品なので、三面が伝える物語と、物としての来歴の両方を区別して考える。

作品情報

材質・技法
板に油彩ゆさい
所蔵
プラド美術館
目録番号
P002052

出典・画像について

出典:プラド美術館 P0020522026-09-10 確認)
画像:Hieronymus Bosch乾草車の三連祭壇画》/Hieronymus Bosch, 乾草車の三連祭壇画, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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