何が描かれているか
裸のニュートンが苔の生えた岩に座り、巻物にコンパスを当てて図形を測る。
海底のような暗い空間にいるが、彼は周囲を見ず、目の前の計算だけに集中する。ニュートンの背中は大きく弧を描き、左手で巻物を押さえながら右手のコンパスへ顔を近づける。岩の表面には植物や鉱物を思わせる細かな模様が広がる。
作品の見どころ
身体は鮮やかで立体的なのに、姿勢は平面の図形へ閉じ、想像力と測定の対比を生む。
岩の複雑な模様と、コンパスで引かれる明快な線を見比べると作品の緊張が分かる。人物の肌には暖かな光が当たり、周囲の青黒い岩から浮かび上がる。身体、巻物、コンパスが作る三角形を見ると、広い自然の中で注意が一点へ絞られていると分かる。
制作背景
1795年にカラー印刷で作られ、1805年頃にインクと水彩で加筆された。
テートは、ブレイクがニュートンの合理主義を想像力と対立するものとして批判的に扱ったと説明している。合理主義への批判という所蔵館の説明は、ニュートン本人の肖像としての正確さを論じたものではない。歴史上の科学者を借り、測定だけへ集中する状態を視覚化した作品として見る。
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
ブレイク詩集(対訳)
ウィリアム・ブレイク 著/松島正一 編 / 岩波書店
代表詩を原文と日本語訳で読み、ブレイクの絵と切り離せない言葉と思想へ入るための一冊です。
楽天ブックスで見る →