創造の場面を祝福だけでなく、重さと拘束を感じる瞬間として描いた。
何が描かれているか
赤い太陽と翼を背にした創造者エロヒムが、地面に横たわるアダムへ手を置く。
アダムの身体には蛇が巻きつき、足元には虫が描かれている。エロヒムは大きな翼を横へ広げ、うつ伏せに近いアダムの頭上へ身体を傾ける。蛇はアダムの脚から胴へ巻きつき、地面の根や草と身体を結びつけている。
作品の見どころ
創造者が上から重く覆いかぶさる構図により、誕生が自由の始まりだけには見えない。
赤い円、白い翼、土色の身体が層を作り、天上と地上を強く分ける。赤い円は創造者の背後で強く光るが、下の地面は暗く重い。翼の白、アダムの灰褐色、蛇の曲線を追うと、誕生の場面に拘束や死の気配も重ねられている。二人の身体は対角線上に重なる。
制作背景
『創世記』の人間創造を、ブレイク独自の神話的な見方で描いた。1795年から1805年頃の制作。
テートは足元の虫を、人間が創造された瞬間から死を免れないことを示す要素として説明している。これは『創世記』の文章をそのまま順に図解したものではない。創造の瞬間へ蛇や虫を同時に置くことで、ブレイク独自の人間観を加えた解釈として見る必要がある。
出典・画像について
画像:William Blake《アダムを創造するエロヒム》/アダムを創造するエロヒム — William Blake / Wikimedia Commons
Public Domain表示の忠実な複製画像です。扱いは国・地域によって異なります。
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